
歯の失われた部分にチタン製の歯根を埋め込んで人工歯の支えとするのが、インプラント(人工歯根)治療です。
入れ歯のように取り外したり、痛くて噛めないということはございません。
またブリッジのように両隣の健康な歯を削る必要もございません。
インプラントによりご自身の歯と同様に噛めるようになります。
歯を抜けたままに放置しておきますと噛み合わせや見た目などに悪影響を及ぼします。
以下に項目別にご説明致します。
【機能面(噛み合わせ)での影響】
・抜けた歯にかみ合っていた歯が動いてくる。
・抜けた歯の両隣の歯が傾いてくる。
※上記の理由などにより、咬み合わせに異常を生じます。
【審美面(見た目)での影響】
・見た目はよくない。
・歯ぐきの位置が下がってくる。
・顔の輪郭が変わってくる、口元にしわが寄り、老けてみられる。
【生活面での影響】
・しっかり噛めないことで胃腸に負担がかかる。
・うまく発音が出来なくなる。
・噛めない事により、脳への刺激が減少する。

入れ歯は、歯を失った部分の型を取り、そこに人工の歯をピンクの床の上にくっ付け、それ自体をバネで自分の歯に引っ掛ける簡単なものから、残存した歯に特殊な装置を組み込んで入れ歯を維持するものまで様々な方法があります。
簡単なものでは、歯をほとんど削る必要がなく、治療回数も少なくて済みます。
治療範囲によって、部分入れ歯や総入れ歯など方法が異なってきます。
~入れ歯のメリット~
・ブリッジでは対処できないような大きな欠損にも対応できる。
・治療が比較的簡単で、保険適用の入れ歯なら治療費も安い。
~入れ歯のデメリット~
・どんなに上手く作っても天然歯の20%~30%の能力しかない。
・固いものを噛むのに苦労することがある。
・食べ物が挟まって、口の中が不衛生になりやすい。
・歯ぐきに噛む刺激が少ないため、あごの骨が徐々に痩せてくる。
そのため入れ歯の調整がその都度必要になる。
・取り外して手入れをするのが面倒。
・がたつきがあったり、留め金が気になったりして、違和感を感じやすい。
・うまく発音が出来ないこともある。
・留め金が気になるなど見た目がよくない場合がある。
・部分入れ歯の場合バネで支えている隣りの歯への負担が大きく、むし歯にもなりやすい。
・保険適用外の特殊な入れ歯は費用も高額になる。

失った歯の部分の左右両隣の歯を削り、そこに人工の歯を橋のようにかけるように作りますので、基本的に義歯3本が1セットとなります。
(欠損の範囲によってはさらに多くの歯を削って土台にします)
ブリッジは、失った歯の箇所が少ない場合に適しています。
~ブリッジのメリット~
・違和感が少なく、噛む能力も入れ歯に比べると大きい。
・欠損範囲が狭い場合は保険適用で治療費も安い。
・保険適用外の治療方法(オールセラミック、メタルセラミック等)を用いた場合は天然歯と変わらない審美的な修復が可能。
~ブリッジのデメリット~
・ブリッジを支えるために両隣の健康な歯を削らなければならない。
・ダミー部分に食べ物が挟まることがある。
・噛んだ際に歯の抜けた部分に刺激がなく、歯ぐきが徐々に痩せてくる。
・あごの骨が痩せると歯並びが悪くなることがある。
・支えになる両隣の歯に大きな負担がかかり、将来両隣の歯を失う場合がある。
・空気がもれて発音が困難になることがある。

インプラントとは、あごの骨に純チタン製の人工歯根を植立し、その上に人工歯を取り付ける歯の再建法です。
~インプラントのメリット~
・天然の歯と同じ感覚で噛むことが出来る。
・ブリッジや入れ歯のように回りの歯に負担をかけたり、削ったりする必要がない。
・噛んだときに歯ぐきに天然歯と同じように刺激が伝わるので、あごの骨が痩せにくい。
・発音や発声への影響が最小限ですむ。
・食べ物や飲み物が天然歯と同じくおいしく感じられる。
~インプラントのデメリット~
・歯を抜くのと同程度の手術が必要となる。
・保険適用外である。
・骨が無い場合高度な知識と技術が要求される。
インプラントは、チタン製でとても丈夫ですので、問題なければ半永久的に機能します。
しかし、ただ入れただけでは普通の歯と同様に長持ちはしません。
インプラントの周りに汚れが溜まった状態でいると、歯周病のような状態になり、インプラントの周りの骨がやせてしまってグラグラ動いてきます。そうなるとせっかく入れたインプラントを抜く事になります。
このようにならないためには、家での正しいブラッシングによる手入れと、定期検診によるチェックが必要です。
定期検診では、インプラントの状態・歯肉の状態・かみ合わせのチェックなどを行い、更に歯科衛生士が歯のお手入れを行います。
次のようなケースではインプラントが出来ない場合がございます。
詳しくは当クリニックまでお問い合わせ下さい。
・重度の歯周病の場合
・歯が抜けてそのままにしていた期間が長い場合
・噛み合わせに問題がある場合
・全身的な疾患があり、手術が出来ない場合
・治療後の定期的なメインテナンスが出来ない人の場合
※以前は、骨の量が少なくインプラントが植立出来ないと言われていたケースでも、骨造成術やソケットリフト、サイナスリフトなどを併用することでインプラントの植立が可能となりました。
当院のインプラントでは、臨床経験豊富なインプラント専門医である「小西 雅也」歯科医師がインプラント治療を担当いたします。小西歯科医師は、大学病院インプラントセンターの臨床講師を務めると同時に、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国など世界中で多くの患者さんの口腔機能の再建に使用されているドイツのカムログインプラントのインストラクターも務めております。
インストラクターとは、歯科医師の方々にインプラント治療を指導する立場であるということです。
インプラント医が自らのインプラント技術を維持するためには、年間概ね100本以上のインプラント実績が必要とされている中、小西インストラクターは、年間1000本近くのインプラント埋入実績を誇っております。
また今までのインプラント成功率も約99%と、安全で長持ちするサクセスレートを維持しております。
インプラントを埋入する際に、土台となる顎の骨の高さや量が必要となります。
例えば上顎の骨は生物学的に上顎洞(サイナス)という空間があり、そのため上あごの骨は下あごの骨よりも少ないのが実情です。
また、下顎であっても歯周病や長年の入れ歯等であごの骨が破壊されていたり、痩せている場合にも骨の量が少なくなります。
そこでここでは、当クリニックで行っている骨の量を増やす(骨造成処置)代表的な3つの高度なインプラント治療法をご紹介致します。
~ソケットリフト~

上顎の骨が薄くても5ミリ以上ある場合に行う骨造成処置です。 上顎の骨に穴を開けて上顎洞粘膜に覆われている上顎洞を押し上げていきます。 作業で開けられた穴に、特殊な器具を使ってすき間なく骨補填材を詰めます。 これにより、骨の厚みが増し、インプラントを埋入することが出来るようになります。
~サイナスリフト~

上顎洞(サイナス)までの距離が5㎜以下のような薄い上顎骨で、ソケットリフト法ができない場合に行う骨造成処置です。ソケットリフト法のように下から骨を持ち上げるのではなく、歯ぐきの横から上顎洞に向けて穴をあけて横から上顎洞粘膜を押し広げてその隙間に骨補填材入れて骨を増やす治療法です。
~GBR(骨組織誘導再生)~

GBRとは、上顎、下顎のどちらでもインプラントを埋め込むのに十分な骨の厚み、幅がない場合に、骨の薄い部分に骨補填材を置き特殊な膜(遮断膜)で覆い固定することで、骨の再生を待って、インプラントの埋入を可能にする骨造成処置です。
通常は、インプラント埋入手術前に必要な骨を作ってしまうか、もしくはインプラント手術の時に処置を行います。
歯を抜くのと同時にインプラントを埋入する治療法を「抜歯即時インプラント」といいます。
抜歯即時インプラントの場合、同じ部位に何度も外科処置を行なわず済みます。